某テレビ番組の出演者の方が、SNS上の誹謗中傷を苦に命を絶ってしまったという内容のニュースが世間を騒がせています。
死因などについても私が見る限りでは「自殺?」という程度のふわっとした内容のニュースが多いわけですが、どんな方であっても自分より若い人が亡くなってしまうというニュースを聞くのは辛いですね。
一方で同時進行のような形で「SNS上での誹謗中傷に対して、法的処置を検討するべきだ!」という声も挙がっており、超弱小とは言いながらもブログ運営やTwitter運営をしている身としては「それってどうなんだろう?」と思う部分があったので、今回は私なりに思っていることについて残しておこうと思います。
弱小ブロガーにも批判意見・誹謗中傷は多々ある
ぶっちゃけ私のような弱小ブロガーに対しても、批判意見や誹謗中傷は少なくありません。ただ、このようにブログなどを通じて自分の意見を書いている以上、読者の方からの「それって違うんじゃない?」という意見は、建設的な批判意見として「ありがたい!」と感じるケースが多いです。
一方で「じゃあどうしろっちゅーねん!」というような、批判というよりも悪口と言ってもいい暴言メールのようなものも来ます。「勉強し直せ/やり直せ」はその典型的な例で、どこをどう勉強し直せばいいのかが書かれていないという…。
例えば「私がおすすめする『本格的な恋愛ドラマBEST10』」というような記事を書こうものなら、その内容に気に入らない人間から必ずと言っていいほど「〇〇が入っていない、やり直し」という意見が来ます。
ここまでが一連の流れで、それをもネタと思えるのであれば問題ないのですが、いかんせん相手の表情が分からないので熱量が伝わってこないですし、時には「タヒね!」くらいのことを言われたりもするので、ブログを始めた当初は結構こたえました。
とは言ってもブログを始めた当初はアクセスも少なく、ある程度のアクセスを集められるようになってから初めてこういうメールやコメントが来るので、最初っからそういう意見をぶつけられることはないと思いますが…。
超が付くほどの弱小ブロガーである私に対してもこのレベルであれば、「テレビに出ている有名人の方に対する批判・誹謗中傷はこのレベルではないだろうなぁ」というのは想像に容易いです。
弱小ブロガーとしての批判コメントに対する姿勢
個人的には「コメント欄は完全封鎖して、メールフォームは設けておく」という姿勢に一貫しています。メールフォームはたまにお仕事の依頼を頂けたりしますし、万が一ブログに掲載されている内容に問題があった場合の窓口になったりするので、ここは絶対に設置しておいた方がいいでしょう。
ちなみにブログならコメント欄を封鎖しておけば、他の読者に対して気を悪くさせずに済むので「わざわざ運営者にメールしてIPアドレスを知らせてまでも伝えたい意見がある」という人だけの意見に目を通すことが可能になります。
ブログをやっていて細かなデータを取っていくと分かりますが、最後の最後まで目を通してくれる読者の方なんて非常に少ないので、そんな読者の方に対して最後の最後で「気分が悪くなるようなコメント」を見せてしまうのは何だかなぁと。
YouTubeだとコメント欄が視聴者同士のコミュニケーションの場になっていたりもして、チャンネルを伸ばすためにはコメント欄はあった方がプラスに働くことが多いような気がしないでもないですが、ブログの場合はそこまで気にする必要はないと思います。
▶ブログのコメント欄は必要?|私がブログコメント欄を開放しない理由
ちなみにわざわざメールフォームから送られてきた暴言メールに対しては、基本的には無視です。たまに「〇〇した方がいいよ」というアドバイスに対して、お礼を言ったり自分の意見を伝えたりすることはあります。
最初は「クソみたいな文章」という意見に心を痛めていたのですが、いつからか「『どこがクソみたいだと感じましたか?』と返信してみて、その一連の流れをネタにする」くらいのことをやるようになり、大半が暴言を吐かれて終わるだけだと気付いたので、もう無視するようになったという感じです。
批判と誹謗中傷は違う
誹謗:そしること。悪口を言うこと。
悪口:他人を悪く言うこと。その言葉。
中傷:根拠のないことを言い、他人の名誉を傷つけること。
批判:良い所、悪い所をはっきり見分け、評価・判定すること。
基本的に「批判」と「誹謗中傷」は違う意味を持った言葉です。
結果として誹謗中傷が原因で若い命が失われてしまった件について、多くの芸能人の方が自分なりの意見を語っていますが、その中の幾つかには「批判と誹謗中傷の区別が付いていないのではないか?」と感じるものも少なくありません。
近年では「アンチ」という言葉もよく聞くようになりましたよね。
私が幼少の頃はアンチ巨人の父親が、とにかくまぁ「野球でジャイアンツが勝つと面白くない、機嫌が悪くなる」という感じで、一種の差別のような意味だと感じていたものですが、最近は「インフルエンサーにとって気に入らないことを言う人=アンチ」という使い方が多いのが気になっていました。
ちなみに私の父は「他球団の4番バッターを金で引っ張ってくるから巨人が嫌い」という感じでしたが、これが批判と言っていいのかどうかは微妙だと思います。
まぁ「巨人が負けると酒が美味い」と家で言うだけの行為が、昨今で言われているSNSでの誹謗中傷と同じベクトル上にあるかどうかも不明ですが。これはもう一種の感想のような気もしますし。
ただし、有名なYouTuberや芸能人が批判をされて「アンチが騒いでるけど…」と言っている場面は、割とよく見る場面です。
分かりやすい部分で言えば「整形していないのにしていると言われた」とか「枕営業していないのにしていると言われた」というのは、根拠がないので中傷に当たると思います。
ただ「企画そのものに炎上要素があった時に『アンチ』という一言で済ませるのは虫が良すぎないか?」とも思うわけです。
訴訟するのには「時間と費用」がネックになるのでは?
もちろんインフルエンサーに対しては、私とは比べ物にならないほどの批判メール、誹謗中傷メールが届いているわけで、中には建設的な意見があったとしても、それ以上に罵詈雑言が多すぎるから一括りにアンチと言っているのかも分かりませんが…。
「ファンには好きなだけ応援してもらって、都合が悪い件に関しての批判はシャットアウト」じゃ、イメージで仕事をしている人たちにとっては筋が通らないのでは?
例えばTKOの木下さん、パワハラで事務所を退所してYouTuberになったようですが、彼に批判的な意見を言う人はアンチなんでしょうか。ベッキーさん、矢口真里さん、東出昌大さんらに対して不倫うんぬんを言い続ける人はアンチ?
もちろん中傷なども多そうなので、そのあたりに対する法的処置はご自身の思うように段階を踏んだ正しいカタチで行ってもらえればと思います。ただ、私がうがった見方をしているのか、人によっては「俺(私)を否定する奴はアンチ」という背景が見え隠れしているような気がするんです。
特に私はブログ運営で有利になりそうな情報をTwitterで集めたりしていますが、定期的に「初心者狩り、情弱狩りをしている自称インフルエンサー」を見ます。
残念ながら彼らは「自分を否定する人=アンチ=ブロック」というワンパターンの対処法ながらも、狡猾に初心者から搾取し続けているわけで…法整備をするのであれば「誹謗中傷と批判の線引きを明確にできなければ意味がない」と思っています。
もちろんその辺りは両者が納得するまで裁判でやりあえばいいと思うんですが、いかんせん現状では「時間と費用が掛かりすぎる」という背景もあるので、「訴訟するまでもなくクロ(あるいはシロ)」という例が幾つか明確になるだけでも違うと思うんですよね。
少なくとも私には「お前の言ってるそれは、アンチだとかじゃなくて真っ当な批判だからな!」と感じる場面もあり、抜け穴だらけの法整備では炎上商法を多用している有名人の追い風になりかねないと思っています。
偉い人たちには、ぜひ明確な線引きと「時間と費用の問題」を解決してほしいものです。
最後に
個人的にはモラルの問題だと思っていて、匿名だろうが実名だろうが「面と向かって言えないことはSNS上でも言うべきではない」と思っていますが、モラルに訴えかける方法の限界をコロナ禍で嫌というほど見せつけられたので、法整備に進むのであればそれは良い事だという考えです。
ただ、私を含めて批判と誹謗中傷の区別が明確にできないという人は少なくないと思うので、1人1人が自分のことを見直すきっかけになればいいと思います。
(まぁ何でもかんでもすぐ「アンチ」っていう人や、本当に批判されるべき人には全くと言っていいほど届いてないと思うけど)