個人的には、人が群がるような所には「自分が行った所で既に金脈は掘り返されている」と考えてしまい、どちらかと言うと人がいない方へ行く傾向が強いです。
それは一般的なブロガー、アフィリエイターとの思考とは少し変わっているような気もしますが、魚が大量にいなくても少しいる場所さえ見つけられれば、あとはライバルとの取り合いになるだけなので、考え方によっては「獲物の数が少なくてもライバルさえ少なければ勝負になる」と言えます。
ただ、最近の健康食品に対する法律の締め付け、Googleの対応を見ていると「健康食品で一山当てようというのは、なかなかリスキーな行動なのでは?」と思うようになってきました。
特に初心者の方、ライバルが強すぎる所には行かないのが無難なことは変わりありませんが、ライバルの全くいない所にも「それなりの理由」があることを理解しなくてはなりません。
以下では「健康食品アフィリエイトの無理ゲー感」について書いていきたいと思います。
健康食品を売るのが難しい理由
薬機法と呼ばれる一般人には難しい法律がある
健康食品はあくまで食品であって、薬とは違います。日本には「薬機法」と呼ばれる法律があって「薬じゃないものを薬のように取り扱う」ということがNGです。
もちろん薬機法はそれだけではないのですが、私たちのように「健康食品を売って紹介料を得よう」という場合は、薬機法のルールに従いながら商品の良さを読者に伝えなくてはなりません。
この薬機法が、専門家でもない限り法解釈が難しいというか、グレーゾーンが広いというか…。著作権違反やスピード超過などと一緒で「割とありふれている違反だけど、摘発が追い付いていない」という側面もあって、結構曖昧なんですよね。
ただ、違反は違反なわけですから、もしそれが原因で捕まったとして「あいつらもやってるんだから全員捕まえろ!」は恐らく通らないです。そして、その1人に自分がなってしまうリスクは無視できないでしょう。
グレーゾーンが広すぎて、やっていい事・ダメな事の線引きが難しい
- 実際と違う
- 誤認させる(著しく誤認させる)
- 実際より良く見せる
- 実際より有利に見せる
最近逮捕者が出た例を出すと「がんに効く」と偽って、何の根拠もない健康食品を売って逮捕された人がいました。このような虚偽広告は完全にアウトです。
嘘はダメだということは分かっても、健康食品なんてプラセボという言葉があるように「個人差が結構ある領域なんじゃないの?」というのは、消費者側もある程度は理解しているものですよね?
それでも「誇大広告」も一定のラインを超えるとアウトになります。
真剣にルールを守ってアフィリエイトに取り組むのであれば、「高血圧/肥満防止/アンチエイジング/便秘改善」このあたりは、極めて難易度が高いという印象です。
だって「脂肪の燃焼を促進する=だから普通に歩くよりも、これを飲んで運動したら痩せやすい」という表現がNGだったりするんですよ?
さらに自分が実際にモニターになって得られた結果だとしても、ビフォーアフターの写真は基本的にはNGです。
これにもルールがあって、あからさまにビフォーアフターと記載するのは完全にNGだけど「単純に画像を2枚並べて『読者が勝手にビフォーアフターだと勘違いした』なら許される」というパターンもあったように思いました。
私はそもそもビフォーアフターの写真を載せようと思ったことがないので詳しく調べていませんが、美容ジャンルだとこの訴求はめちゃくちゃ効果的なので、気になっている人は正しいやり方についてググってみてください。
物によって「ここまではOK」というルールも細分化されている
疲労回復なんて言葉は、その辺のサプリメントでも使っているようなイメージがありませんか?実はこれ、医薬品でないと謳ってはいけない文言なんだそうです。
そして消費者庁長官の許可を得るには、化学的な根拠を提示して、さらに消費者庁にいくらかの金銭を納め、特定保健用食品(トクホ)として認可を貰う必要があります。
飲料水コーナーを見てみると、食後の血糖値、コレステロール吸収率などに言及したお茶などが多々売られていますが、これらって他の商品と比べて少し高いですよね?
これは「トクホの認可を受けるために消費者庁に納めた金銭がここに乗っかっているからだ」と言われています(本当かどうかは知らんけど)。
トクホでも「ここまではOK、でもここの一線を超えると医薬品扱いになるから注意してね」という基準がありますし、さらに消費者庁から認可を貰っていない機能性表示食品となると、締め付けはもっときつくなります。
「締め付けがきつい=当たり障りのないことしか言えない」となるので、多くの人はその商品そのものに魅力を感じないのでは?
「私はこれを飲んで便秘が解消されました!」と言われれば、便秘に悩んでいる人なら何となく試してみようかなって気になると思うんですけど、「非常に飲みやすいので誰でも続けられますよ!」だと、そもそもその商品を買おうと思う理由にはならないですから。
場合によっては口コミ、レビュー、感想もNG
また、近年、インターネット上の口コミサイト やブログ等において、実際に
は特定の健康食品の広告宣伝であるにもかかわらず、その旨を明示せずに、当
該食品の購入者個人による自発的な表明であるかのようになされる広告宣伝
が社会的な問題となっている。このような広告宣伝は、一般消費者を誤認させ
るおそれがあり、その商品の健康保持増進効果等について、著しく事実に相違
する場合又は著しく人を誤認させるような場合には、虚偽誇大表示等に該当す
るおそれがある。
口コミを掲載した後で「これは個人の感想です/個人差があります」などの文言を見たことがあるという人は非常に多いと思いますが、これを書けばOKというものではありません。
個人の感想であっても、一般消費者を誤認させてしまってはいけないというルールになっています。
割と大手の会社が作っている商品LPなんかを見てもらえると分かるかと思いますが、実際の使用者からの口コミの掲載部分を見ても、あまり目立ったことを書かなくなったような印象がありませんか?
悪い意味合いじゃないんで実名出しますが、オルビスの「ディフェンセラ」っていう商品があって、これはトクホで飲むスキンケアっていう触れ込みで売ってる商品なんですけど、公式LPで取り扱っている口コミでスキンケアとか乾燥肌に一切言及していないんです。
あくまで「味が美味しい」とか「水無しで飲めるから続けやすい」とか、そんな口コミばかりなので、スキンケアに興味のある層の購買意欲が刺激されない口コミしかなかったんですよね(今はどうか知りませんけど)。
それを実際に買ってレビューしようにも、自分の体験談もNG、ビフォーアフター画像もNG、アンチエイジングなどのキーワードもNG…。どうやって売るの?
ちなみに私は実際に買って、レビューしました。その際に「効果というキーワードは使うな」とか結構細かい指示があって、「味に関する感想はいいけど、スキンケアに関する感想は書くな」というめちゃくちゃな指示があったくらいです。
更には商品を購入した後でオルビスからパンフレットが送られてきて、そこにビフォーアフターっぽい写真が使われていたので、「あくまで商品とは別物です」ということを主張するための2段階体制なのかなーって思ったりもしました。
商品と一緒に同梱されていたパンフレットは、当たり障りのない内容しか書かれておらず、1日後か2日後に届いた資料では「これをLPに書けばもっと売れるのに…」という踏み込んだ内容が書かれていたのを覚えています。
たぶん2段階にすることによって抜け道が出来るとかそんなんだと思いますけど、オルビスほどの大手の会社で、こんなことをしてるんですから、個人の弱小アフィリエイターは勉強もしなきゃいけないでしょうし、それと同時に気を遣うことが必要になってくるでしょう。
記事を書くことに熱量を割きたいのに、こんな部分のノイズが大きくて勝負できると思いますか?
健康食品アフィリエイトも考えようによってはチャンスかもしれないけど…
YMYLに関するGoogleアップデートがあって、数々の健康食品系サイトがお星さまになってからというもの、この分野にはもう二度と参戦しないと宣言するアフィリエイターが多数出てきました。
一方で私は、ライバルが少ない市場には少なからず魅力を感じるので、実際にGoogleアップデートの前後で検索結果を比較してみて、最初は「これイケるんじゃない?」と思ったのも事実です。
ただ、薬機法や景品表示法、健康増進法はモラルでは計ることが出来ないので、しっかりと勉強してからでないと痛い目に遭うかもしれません。
軽く消費者庁のページを見ただけでも、「私は読者を騙すつもりは微塵も無かったし、自分でも表現には注意して記事を書いていたつもり」で罰を受けるという、最悪のケースが容易に想像できましたから。
熱を込めた記事を書きたいのに、その熱の表現方法にあれこれ口を挟まれ、記事を書く前に情報のインプットのみならず、各種法律の勉強から始めないといけないなんて、難易度が高すぎるでしょ。
それに、Googleが当たり障りのない専門家の記事ばかりを上位表示するようになったら、誰もGoogleでそれを探そうとは思わなくなるんじゃないかと思います。
各種法律の要点を抑えて、その中で立ち回るのであればライバルも少なくて強いと思いますけどね。
でも中には「ルールを守らずに好き勝手やって、罰を受けないアフィリエイター」というのも絶対に出てくると思うので、そういう人に対して何かを思って消耗するくらいなら、最初から近付かないのが賢明なのかなって思ったり思わなかったり。
最後に
A8.netなどの大手ASPの案件を眺めていても、健康食品分野って案件がゴロゴロ転がってるんですよね。
一見すると取り組みやすそうな気もしますが、実際にやってみると「知らず知らずのうちに違反していた」というケースも出てくるんじゃないかと思います。
あからさまに「〇〇に効く」とか言ってなくても、口コミが違反対象になることがあると言われているくらいですから、挑戦する場合は注意しながら取り組んでみてください。